当院では、健康診断の際に感染症検査をおすすめするようにしています。生後半年以内の鳥さんには特に気をつかいます。
それはなぜか
感染症を持っていないと言い切れるヒナがいないからです。
感染症を持っていても症状が出るとは限らないので、往々にして健康に見えます。潜伏した病気は、大きなストレスがかかったとき、体力が落ちたとき、免疫力が落ちたとき、即ち「自宅にお迎えしてから1~2週間の間」に発症することが多いです(もちろん例外もあります)。「お迎えするまではとても元気」で、「不適切な飼い方もない」状態で、突然落鳥するヒナが絶えないのは感染症の日和見感染が一因となっています。
立派な成鳥になれるのは、体力があってストレスに強い子が、自力で一部の病気を克服した結果ともいえるでしょう。当院では、本人の体力次第で育ってもらうのではなく、一歩先を見据えた予防計画を提案していきたいと思っています。
問題点は予防コストが全て飼い主様にかかってくることです。来院時、改めてするであろう説明をよく聞いて、検査およびに治療実施を決めていただけると幸いです。
各業界も、実際の汚染状況がとらえられず、いるかもわからない病原菌をただ闇雲に消毒しているというのが現状です。
流通の末端において感染症検査をする意義は「個人としてできる最大の防御」といえるでしょうし、結果が各方面に統計としてフィードバックされていくことで、問題提起が可能になるのではないかと考えています。
非常にナイーブな問題であり、端折っている部分もあります。異論、反論あるかと思いますが、一意見として受け取っていただければと思います。