小動物の麻酔処置は有効な保定方法の一つです。
「麻酔をかけたら死ぬ」は迷信であり、何の根拠もありません。
手術で麻酔を利用するのはもちろんなのですが、今回は日常の診察で利用しうる麻酔処置についてお話しします。
診療で麻酔や鎮静が必要になるケースを考えると、
・動物がパニック・興奮状態で、このままでは双方に怪我人がでる可能性が強い場合
・検査中に動かないほうが検査精度が飛躍的に上がる場合。
・検査・処置にあたって、麻酔をかけたほうが極短時間で終わる場合
・痛みのコントロールをしつつ検査をしたいとき。
・換気に不安のある子で、興奮させたくないとき。
このようなときに私は麻酔処置を提案します。
もちろん無麻酔で済めば全く問題ないのですが、パニックの子を無理に押さえつければ事故が起きやすいですし、その後のコミュニケーションも危ぶまれてきます。ストレス軽減の意味でも非常に有効です。無麻酔だと30分かかっても終わらない検査でも、麻酔を用いることによって半分以下の時間で済むこともあります。
麻酔に対する不安は皆一緒ですが、それを補ってあまりある効果を発揮するときがあるということです。
麻酔をかけるときは十分に説明を聞いて、有効な方法を相談していくようにしましょう。