健康診断の利点

前回、健康診断をしましょう、と書いたものの、獣医がまた金儲けのために人を呼ぼうとしているのかな、とお考えの方もいらっしゃると思います。
そこで、健康診断の利点を列挙してみたいと思います。

その1
健康チェックのポイント整理ができる。

獣医さんに行くと、元気はある?食欲は?吐いたり、下痢したりしていませんか?
お水をいっぱい飲む、おしっこの量が増えたということはありませんか?
とおおまかなチェックポイントを質問してもらえます。
動物の種類によっては、なりやすい病気の説明もあるかもしれません。
聞かれて初めてそういえば・・・と気づくところもでるでしょうね。
そして、次に病気になって病院に行く時は、あらかじめ具体的にその答えを用意していくとスムーズに診察が進みます。
知らなかったワクチン接種の有無、伝染病検査の有無の確認もできます。
あらかじめ予防をしておけば鑑別診断で真っ先に消える病気もあります。
病気になってからいざ検査では負担は大きいですね。

その2
客観的に健康状態を比較検討できる。

おかしいな、と思っても基準はどこに置いたらいいのでしょうか。
改めてほかの子と比べてみないと、意外と異常に気付かないものです。
ワンちゃん同士だと、散歩がてら別のワンちゃんと比べる機会があったりしますが、ネコちゃん、ウサギ、鳥、ハムスターなどなど、いざ自分で健康チェックはしてみるものの、具体的な評価ができないときがあります。
尿が多いと病気って聞くけど、じゃあどれだけ多いと病気なんだろう?
元気があるって、どんな状態をいうのだろう?
たぶんわからないですよね。
獣医さんはそういった情報を知識として、経験として蓄えている人たちなのです。
逆に言うと、そういった知識や経験がないと、健康診断をしてもらう意味がありません。
健康であると診断することは、病気を診断することと同じくらい難しいです。

その3
素朴な疑問を解消できる

うちの子が病気でフラフラになっているときに、獣医さんと長話ができますか?
飼育環境で相談がある、健康だと思うが、少し気になる点があるのだけれど・・・
というお話は、生きるか死ぬかのときにはできません。

その4
うちの子の自己紹介ができる。

何を食べている、どんな癖がある、健康の時はこうなんだけど・・・。
などなど、健康時のデータがある子とない子とでは、診察スタイルにもよりますが、病気の時の問診時間の短縮、検査の省略に繋がると思います。

その5
病院の雰囲気、獣医の顔がわかる。

いきなり病気になって、あわてて調べて病院にいってみたとします。
運よく自分に合った獣医さんが担当してくれればいいですが、残念ながらそうではなかった場合。
結果として治癒すれば問題ありませんが、最悪の事態におちいったとき、あなたは誰を責めますか?
自分の大切な家族を託す相手を、その場で決めないほうが充実した治療につながりやすいと思います。
最初は評判で決めてもいいです。
病院の大きさで決めてもいいです。
ただ、最後の決め手は自分の目と耳だと思います。
主観的評価と客観的評価は異なります。

その6
顔なじみだからこそできることがある

病院のスタッフに聞きたいことがあったけど、威圧感があって聞けなかった。
繰り返し通っている間に打ち解けてスムーズに話ができるようになった。
そんなパターンもありますよね。

その7
その病院の値段設定が見えてくる

動物病院はいくらくらいかかるのか?
病気の時に聞かれても、診察してみないとわかりませんとしか答えようがありません。
しかし、健康診断はたいていやることが決まっているので、かかる金額の上限はある程度わかるはずです。
上限がわかれば、偵察料として投資しておくことをすすめます。
初めて動物病院にかかる人は、先入観もあって戦々恐々としています。
あまりよくないことかもしれませんが、一度通院してみて、他の方がお会計をしている様子を聞いてみるとだいたいの目安を知ることができるでしょう。

長くなってしまいましたが、こんなところでしょうか。

前回同様、動物病院に行くきっかけ程度に読んでもらえれば幸いです。