寒いせいか体調の悪い子が続き、そのう炎について質問されることが増えてきたので備忘録として。

そのう炎の定義:
そのうが炎症を起こした状態。

症状:
吐き気
吐出あるいは嘔吐
食欲不振
多尿多渇
出血
口臭 など

原因:
感染
誤飲誤食
火傷 など

診断方法:
そのうに炎症の五徴候がないか調べる。
そのう液検査において、白血球の出現、細菌を多分に含んだそのう壁の細胞が見られる。
そのうの病理組織学的検査において白血球の増多、血管拡張、細菌感染などの炎症性病変がみられる。
(※そのうに細菌がいることと、感染が成立し炎症の原因になっていることとは別の問題です。)
(※そのうに白血球があるのは、鼻汁を飲み込んだ場合などでも見られます。)

治療方法:
原因治療
各種健胃消化薬
胃腸機能調整薬 など

私の感想:
日常の診療でそのう炎だけを症状の原因とすることは稀です。
そのう炎を疑うことが来院するきっかけになり、別な病気がみつかってくれればそれでいいと思います。

※用語補足
そのう:鳥や昆虫・ミミズ・軟体動物などの消化管の一部。食道に続く袋状のもので、食べた物を一時的に蓄える。嗉嚢。
炎症:生体が微生物の侵入や物理的・化学的刺激などを受けて、発熱・発赤・はれ・痛みなどの症状を呈すること。
「デジタル大辞泉」より

炎症の五徴候:発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害。

嘔吐:食べたものを胃から吐き戻すこと。採食後短時間から長時間経過後にみられる。
吐出:食べたものが胃に入る前にそのまま吐き出すこと。採食後短時間で見られることが多い。